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歯を失った方々へ・・・

​​歯を失ってしまうことは、お口の中の状況にとってとても良くないことです。

​なぜなら、自身の身体を形成する為に必要な毎日の食事を消化する能力がそれだけ落ちてしまうことなのですから・・・

残念ながら、歯の崩壊は他の臓器と違い、失ってしまった部分は二度と再生することが出来ません。現在、ips細胞の発見によりその再生すらも出来る技術レベルに世界は動き始めていますが、残念ながらそれはまだ日々の臨床レベルには達していません。

よって、失ってしまった部分が大きければ大きいほど、自分自身の唯一の部品はもう手に入らないのです。

そのため、失ってもまだ残っている自分自身のパーツを使って、咬める歯の形を人工物で補うことで咬むという機能を与えるのが、補綴治療と呼ばれる歯科医師の技術です。

しかしながら、歯が治ったということは、ご自身の歯が元に戻ったということではありません。

歯の形は元通りになっても失った歯の部分を元には戻すことは出来ないのです。

​現在の歯科治療の限界はそこにあります。

例えば、まっさらなご自身の歯であれば、100%の力を発揮できますが、ひとたび歯の一部分が無くなればその能力はどんどん落ちてしまいます。

歯の頭の部分(歯冠部)が無いだけで咬む能力は0%に等しくなるでしょう。

それを人工物で補うことで、その能力を少しでも高く回復させようということを、補綴(ほてつ)治療と言います。

失った部分が少なければ、99%にまで回復できるでしょう。

歯の神経が残せる歯の崩壊であれば、90%は回復できるでしょう。

歯の神経を失ってしまった歯は、50〜80%には回復できるかもしれません。

歯が根っこだけになってしまっても、50%の回復を見込めるでしょう。

歯を失ってしまったら・・・50%を下回る回復率かもしれません。

すなわち、歯を失う部分が大きければ大きいほど、治療を終えた後は100%歯があったときのように硬いモノをバリバリと咬むということは難しくなります。

あらかじめ咬みやすい一口サイズに切り分けた分量を摂取したり、食材を柔らかく煮てみたり、食事の摂取の方法に、歯に負担をかけにくい工夫が必要になります。

しかし・・・、これを悲観的にとらえてはいけません。

なぜなら、何もしなければ0%!咬めないままなのですから!

ですから、歯を失ってしまった場合、他の残っている歯で咬めるからいいや

どうせ治してもまた悪くなるんだから…などど思わず、出来るだけ早く治療をしてください。

治療をして歯の形を手に入れた方々は、人工の歯ではありますが、それを正しく大切に使ってゆきましょう。 

そして、それが長い間ご自身の歯の代わりとなり続ける為に、毎日の歯ブラシではとることが難しい箇所や、かみ合わせのバランスの調整などのお口の健康管理のお手伝いを、定期的に我々にさせてください。

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